― 分散と長期という“土台”の話 ―
最近、ネットやテレビで「投資」という言葉を目にする機会が増えていると思います。
一方で、「儲かるのか」「損をしないか」といった不安が先に立つ方も多いのではないでしょうか。
私はファイナンシャル・プランナーとして、投資を勧めることではなく、
正しく理解したうえで、自分で判断できる力を身につけることを大切にしています。
今回は、投資を考えるうえで避けて通れない
「長期」と「分散」という2つの基本的な考え方について、大学生の皆さん向けに解説します。
① 長期投資の最大のメリットは「時間」
学生の皆さんが持っている、社会人にはない最大の強み。
それは 「時間」 です。
投資において、時間は非常に重要な要素です。
なぜならば、時間が長いほど、
- 価格の上下(短期的なブレ)の影響を受けにくくなる
- 利益が出た場合、それがさらに利益を生む「複利の力」が働きやすい
という特徴があるからです。
短期間で結果を出そうとすると、どうしても価格変動に振り回されがちです。
一方、長期で考えることで「焦らない判断」がしやすくなるという点は、
投資以前にお金との向き合い方としても大きな価値があります。
② 分散投資は「リスクを下げるための考え方」
分散投資というと、「難しそう…」と感じるかもしれませんが、考え方はいたってシンプルです。
一つに集中しないこと。これが分散の本質です。
特に投資する「時期」と「対象」が重要です。
1.投資する「時期」の分散(ドルコスト平均法)
毎月同じ金額を積み立てていく方法を「ドルコスト平均法」と呼びます。
- 高いときは少しだけ買う
- 安いときは多めに買う
結果として、購入価格が平均化され、
「いつ始めるのが正解か」という悩みを小さくする効果があります。
例えば、毎月「決まった金額(10,000円)」を積み立てる場合、
価格の変化によって購入できる量は次のように変わります。
購入シミュレーション(毎月10,000円投資)
| 市場の価格 | 購入できる口数 | 状態 |
| 1,000円 | 10口 | 基準の状態 |
| 500円 | 20口 | 安くなると、たくさん買える! |
| 2,000円 | 5口 | 高くなると、少しだけ買う (高値掴みを防ぐ) |
学生の方にとって、これは非常に現実的な考え方です。
2.投資する「対象」の分散
もう一つ大切なのが、投資先の分散です。
- 株式だけでなく、債券にも
- 国内だけでなく、海外にも
といったように、値動きの異なるものを組み合わせることで、全体のブレを抑えるという考え方です。
「一つが不調でも、他が支える」
これが分散投資の基本的な役割です。
③ 最初は毎月1,000円でも十分です
投資というと、「まとまったお金が必要」と思われがちですが、
学びの目的であれば、毎月1,000円からでも問題ありません。
大切なのは金額ではなく、
- 値動きを見る
- 感情がどう動くかを知る
- 続けることの難しさを体感する
といった実体験です。
最後に:ここで得てほしいのは「利益」ではなく「経験」
学生のうちの投資で、最も価値があるのは
いくら増えたかではありません。
- お金は時間とどう関係するのか
- リスクとは何か
- 自分はどんなときに不安になるのか
こうしたことを、小さな金額で経験できること自体が大きな財産になります。
正しく理解し、冷静に判断できる力を身につけること。
それが、将来お金と向き合ううえで、何よりの武器になるはずです。







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